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もしあなたがマッチ売りの少女なら・・・①

あなたはクリスチャン・アンデルセンのマッチ売りの少女の話をもちろん知っていますよね。

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それは雪の降る大晦日の夜の話です。頭巾もかぶらず、裸足のままで、古いエプロンに入れたマッチを売り歩いていた少女がいました。
あわてて大通りをわたろうとしたときに、馬車がすごいスピードで駆け抜けて靴がぬげてしまったのです。
「マッチはいりませんか?マッチはいりませんか?」
でも少女からマッチを買ってくれる人はひとりもいませんでした。やがて少女は空腹と寒さでついに路地に座り込んでしまいました。そしてマッチを1本取り出すと壁にこすりつけ火を付けました。ほんの少しでも暖を取りたかったのです。マッチをこするとさまざまなものが現れました。おいしそうな料理、温かい部屋、そして最後に現れたのは亡くなった少女のおばあさん。
「おばあちゃん、お願い私も連れていって」
少女はありったけのマッチをすりました。
翌朝、路地で死んでいる少女が発見されたそうです。しかし少女の顔は天使のような微笑みを浮かべていたそうです。

このマッチ売りの少女の物語にはある秘密があります。もしクリスチャン・アンデルセンがポジティブな何かを伝えたかったとしたら・・・・それは何でしょうか?こう考えると少し答えが見えてきます。少女は結果的にマッチが1本も売れずに死にました。
夢の中でおばあちゃんに迎えられ、幸せな最後だったかもしれませんが、それでもこの話には救いはありません。しかし、マッチ売りの少女の話は、将来、経営者となる子供たちに向けたビジネスの教科書だと考えたときに、この物語から見えてくるものは大きく変わってゆきます。

「マッチ売りの少女はなぜ1本のマッチも売ることができなかったのか?」

考えてみたことがありますか?
この答えは簡単です。

最も重要なポイントは時間と場所と状況です。

時間:夜
場所:街頭
時期:大晦日
状況:雪

同じように重要なのが信頼性です。森本の超簡単マーケティング理論には3サプライズ法というものがありますが、販売前のサプライズ、つまり「商品はよさそうでなくてはならない」という原則に、このマッチ売りの少女は重大なミスを犯しています。

それはマッチ売りの少女が「裸足」であるという事実です。
みすぼらしい服装までは容認できても、雪の中で裸足という姿は少女の信頼性を損ない、同時に少女の売っている商品であるマッチの信頼性も損ねています。このミスは今も多くの会社が犯していますよ。商品をどうみせるかだけでなく、商品を販売しているあなたや、あなたの会社をどう見せるか?これが売れる・儲かる仕組みのマーケティングです。商品がよくても商品は売れません。商品がよさそうでなくては誰も購入してくれません。商品をよさそうに見せるためには、商品だけではなく、販売者もよさそうに見せる必要があるのです。
マッチ売りの少女のエピソードではこの原理原則が語られています。

販売者:裸足の少女

さらに商品を分析してみます。商品はマッチです。壁にこすって火を付けていることから、1831年に開発された改良型黄燐マッチだと思われます。クリスチャン・アンデルセンがマッチ売りの少女の話を発表したのは1848年ですから、この改良型黄燐マッチが開発されてから17年が経過しています。しかし、この物語は貧乏だった彼の母親のエピソードがベースにあるとした説もあります。この場合、反対に壁にこするだけで簡単に着火できる改良型黄燐マッチは画期的な新製品だった可能性もあります。しかし、少女が仕入れて販売しているぐらいですから、いずれにしろ、少女だけが販売しているようなものではないはずです。

商品:他社同等品

ではこの場合には何に問題があったのか、ズバリそれは顧客へのメッセージの伝え方に問題があったのです。そしてそもそも伝えるべきメッセージを持っていなかったのが大きな原因です。

宣伝:「マッチは入りませんか?」

少女は「マッチはいりませんか?」と連呼しました。これだけではマッチは売れません。でも今も多くの会社が同じ過ちを犯しています。大企業はそれこそ何十億もかけて「マッチはいりませんか?」とテレビで連呼しているのです。

ではどうするのか?まずメッセージは明確に以下の④つが必要です。

① この製品は誰のためのものか?
② 誰のどのような問題を解決できるのか?
③ この製品を購入することで具体的に顧客の仕事や生活はどのように変わるのか?
④ なぜ他社ではなく自社から購入すべきか

ではマッチ売りの少女はあの日何ができたのでしょうか?少女はおそらく1円のお金も持っていなかったはずです。従って売れる・儲かる仕組みを作るためのマーケティング予算はゼロです。チラシ1枚配れません。時間、時期、状況、場所が悪いといっても、1本のマッチも売れずに家に帰る訳にはいきません。父親に殴られてしまいます。

この日、この時間、この状況、そしてこの製品で勝負するしかないのです。
さああなたならどうしますか?何ができると思いますか?

マッチ売りの少女の話は遠い昔の異国のエピソードではありません。これがビジネスの教科書だと考えたときに、たくさんのマッチ売りの少女となった会社や経営者たちが見えてきます。

さああなたも本気で考えてみてください!

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