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マーケティングとの邂逅

マーケティングとの出会い。

セミナーではベンチャー企業の商品企画部に配属されたときとお話をしていますが、実はそれ以前にマーケティングを意識していた時期がありました。

19歳~23歳までの約4年間、千葉市を拠点にバンド活動をしていました。
よくよく考えてみるとはじめて何かを販売したのは、このバンドのワンマンライブのチケットでした。

老舗のライブハウス、千葉ダンシングマザースはメジャーアーティストも出演する名門の箱でした。
僕たちはそのライブハウスに出演しようとリーダーとデモテープを持ち込みました。

デモテープを聞いたブッキングマネージャーはこう言いました。
「で、動員は何人ぐらいなの?」

「100名です」
リーダーは答えました。

ブッキングマネージャーは顔をあげて聞きました。
「え、100名?」

「はい。100名です」
リーダーは再び微笑みながら答えました。

「じゃあワンマンやらない?」
千葉ダンシングマザースの初出演はその場でワンマンライブに決まりました。

3日後に100枚のチケットを受け取りに行きました。
15万円分のチケットです。

リーダーは僕に涼しい顔をして言いました。
「森本どうする?」

もちろんバンドに100名を集客する力なんてありません。

後で知ったことですが(笑)ノルマもありました。50枚だったか、60枚だったか・・・
ノルマを達成できないとペナルティも生じます。

そこで考えたのがマーケティング戦略です。
マーケティングという言葉なんてまったく知りませんでしたが、何日も考え続けたのはまさしくマーケティング戦略でした。

考えたのは

① 既存ファンに確実にチケットを購入してもらうこと。
② 新規ファンを獲得してチケットを購入してもらうこと。

①に関してはたいした数がいませんでしたから、ひとりづつ僕がお願いをしました。
「ぜひあなたにこの日のライブに来てもらいたい」と心を込めて伝えました。
友人、知人も合わせて約30枚ほどチケットが売れました。

が、そこからが伸びません。
新規ファンを獲得するといっても良い方法がありませんでした。

そこで逆転の発想を行うことにしました。

それはファンになってもらってからワンマンライブに来てもらうのではなく、ワンマンライブにきてもらってから僕たちのファンになってもらおうという考えです。

そこで考えたチケットの販売コンセプトは「僕たちのワンマンライブに来てください」ではなく、「ライブハウスに行ってみませんか?」というものです。

ちょうどファン層が19歳前後の大学に入学したばかりの方々だったこともあり、ライブハウスに興味はあるものの行ったことがない人がたくさんいました。

まずはチケットを購入してくれた人に、お友達をさそってくれるようにお願いをしました。「いいバンドがいるから聞きに行かない?」ではなく「ライブハウスに一緒に行ってみない?私もはじめてなんだ」と誘ってくださいとお願いをしました。「知り合いのワンマンライブだから安心だよ」と。

私も人が集まるところはまじめな討論会の懇親会から合コン(笑)まで営業に出かけました。
その他にもさまざまないわゆる販売促進活動を行い(笑)気が付くとチケットは130枚、招待枠を入れて150枚を完売し事実上、SOLD OUTしていました。

そして狙い通りはじめてのライブハウス体験を通してたくさんの人が僕たちを応援してくれるようになりました。

今のインディーズバンドさんもそうだと思いますが、バンド活動にはさまざまなマーケティングのエッセンスがあります。

そもそも観客を「顧客」ではなく「ファン」と呼ぶ時点からマーケティングとしてはかなり高度です。(笑)
チラシやポスターの制作、CDの制作、ホームページやPV、メルマガや小冊子、無料サンプル音源の配布や、ファンとのコミュニティやファンの会員制度化、コンセプトメイキング、パブリックリレーション、新規ファンの獲得や既存ファンの流出防止などの顧客管理など、とにかくマーケティングのエッセンスがてんこ盛りです。

実は売れないロックバンドをテーマにした、小説版のマーケティングの教科書を少しずつ書きはじめています。発表するかどうか、だいたい完成するかどうかはまだまったくわかりません。(笑)ただ当時の自分や仲間のバンド、そして現在活躍しているインディーズバンドをモチーフに、ファンの獲得と集客を通して、さまざまなマーケティング戦略を学べるものに書き上がればいいなと思っています。かなり趣味が入っていますが。(笑)

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