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顧客視点を失った先にあるもの

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『かつてソニーは、エンジニア1人1人の思い入れやアイディアや遊び心を大切にしてくれました。1990年代までは会議ではお客さまをどう喜ばせるか、そんなことばかり本気で話し合っていました。しかしいつの間にかサムスンに負けた、LGの売り上げが良かったという話題ばかりになってしまった。利益や効率、コスト、、金儲けの話ばかりになってしまったんです』

出展:http://news.nifty.com/cs/economy/economyalldetail/postseven-408158/1.htm
「サポ終了のAIBO「修理工房」を運営するソニーOBの心意気」

上記は出典の記事の中のソニーOBの方の言葉を引用させてもらったものです。私もかつて同じようなことを感じたことがあります。

「森本くん、いつまでそんな甘いことを言ってるつもりなんだ」

私が働いていた会社のある役員の言葉です。

それは年度部門方針のヒアリングの時でした。
私が立てた年度部門方針を読んでその役員はその内容を「甘い」と表現されました。
その年度部門方針とは次のようなものでした。

『徹底した顧客視点に立ち差別化された商品を創出する』

結局、私の年度方針を支持してくださる別の役員の方がいて、この年度部門方針は採択されました。その後もこれは私の人生を賭けた大きなテーマとなりました。

上場と共に私がいた会社も少しだけ変わりました。利益や効率、コストが最も重要な課題と認識されることが多くなり、チャレンジングな提案には慎重になりました。それはしかたがないことだったのだと思います。

最近、ある経営者の方からこんな言葉を聞きました。

「いまうちの業界は本当に大変な状況で、とてもじゃないけどお客さまのことなんか考えてる場合じゃないんですよ」

残念ながら顧客視点を失うと未来も失います。

利益や効率、コストを志向することに何の問題もありません。
問題なのは完全にそちら側だけに傾きすぎることなんだと思います。

会社や業界が厳しい時に生き残りを賭けて全力を尽くすことは絶対です。
でもそこで顧客視点を失うと、乗り越えた先には荒野が広がることになります。

日本の会社に伝えたいことがまだまだたくさんあります。

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